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四国を面白くしている「人」の中にある魅力的な四国。四国を面白くしている「人」の中にある魅力的な四国。

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今回の紹介者
職業/カメラマン

川井 征人 Masahito Kawai

「有限会社カプセル」代表取締役。広告写真や映像撮影を中心に、自社スタジオや機材レンタルなどを行う。その他にも、東温市にあるイタリア料理店「ロカンダデルクオーレ」のシェフ青江氏と共に、地元愛媛にてイタリア料理や文化の普及活動 や、イタリア文化を感じられるイベントなどの手伝いを行っている。今後の目標は、写真や映像にとどまらず表現の幅を広げ、その時の「今の自分」に出来ることを探究して行くこと。また、イタリア料理に限らず「食」に関わる事を行いながら、それ自体を楽しんでいきたい。



地元のおすすめスポット聞いてみました地元のおすすめスポット聞いてみました

観光で四国に来る大事な友人に、あなたがお勧めしたい場所は?

私のおすすめは、愛南町の海辺の風景です。透明度の高く美しい海と、それを囲む漁村やのんびりした風景。ゆっくりした時間が流れ、仕事などしていなかった子供の頃にタイムスリップしたような気持ちにさせられる別世界です。また、地元の港に上がるカツオなど、海の幸を使った料理も楽しめます。

愛南町 海辺の風景(写真:川井 征人)
今まで見た中で、一番美しい四国の風景は?

一番というのは非常に難しいですが、四国カルストの星空でしょうか。愛媛県と高知県の県境に位置し、石灰岩と放牧された乳牛が交互に点在するような緑の昼景が美しい場所。 そこに街の光の届かぬ夜が訪れると、幼少期の記憶が思い出されるような満点の星空が、松山市内の明るい空では見る事の出来ない美しさで広がります。秋に美しいススキの穂が広がる夕景も一見の価値ありです。

四国カルスト(写真:川井 征人)
県外から来た友人に紹介したいオススメの美味しいお店は?

「BAR BLUES(バー・ブルース)」。飾らないマスターと薄暗い照明と音楽、常連客の話し声を聞きながら、ゆっくりと自分の世界に浸れる夜のホーム。店の佇まいは、カウンターのみのタイトな空間で、その壁にかけられたレコードや、いつも一輪のみ生けられた薔薇は、私がお酒を知った頃からずっと変わらない老舗です。

「BAR BLUES」(写真:川井 征人)
あなたにとっての地元のソウルフードは?

鍋焼きうどん。私が子供の頃に食べていた愛媛のうどんは、非常にコシがなく柔らかい、そしてつゆも甘くやさしいものでした。とてもコシが強い現在の讃岐うどんとは対照的なものが、本来の「伊予うどん」 だと思います。そんなうどんがアルミの鍋に入って「鍋焼きうどん」として子供の頃には近所の食堂などで普通に食べられました。今もその味を味わえる古い食堂やうどん屋さんもありますが、その中でも有名なのが松山市の銀天街裏の「ことり」「アサヒ」だと思います。私は松山市の近く、伊予市の出身なので、この2店は幼少期に通った店ではありませんが、足を運ぶと何か懐かしい、子供の頃に食べたうどんを思い出します。現在でもファンの間ではことり派、アサヒ派というものがあるようで、そのあたりを掘り下げていくのも愛媛のソウルフードを楽しむポイントかもしれません。

鍋焼きうどん「ことり」(上)/「アサヒ」(下)
おすすめのパワースポットは?

面河ダムのダム湖の景色です。仁淀川水系に作られた面河ダムは冬になると水位が大幅に低下し、湖の底に沈んだ田畑や木々の切り株など、そこにあった人々の過去の痕跡が顔を出します。20代前半の頃に初めて訪れた時、その不思議なパワーに圧倒されるものを感じ、それ以来時々撮影に訪れています。普段は水位が高く湖の様相ですが、冬の数ヶ月間だけその様子が伺えます。

面河ダム(写真:川井 征人)
四国の魅力とは?

愛媛県内において、海を巡れば東予方面しまなみの多島美から、南予方面、愛南町などのゆっくりした時間の流れの中、見える海の煌めき。またアルプスを思わせる石鎚山系の山並みなど、凝縮された自然の美しさを感じられます。そして四国4県それぞれの特徴のある景色や風土、人々の気質など、それらがしっかりこの四国内で楽しむことができるところが最大の魅力です。

最後に、四国を訪れる友人(旅行者)へ一言

忙しく見て歩くのではなく出来れば一箇所にゆっくり滞在し、その場所場所の一番良い瞬間や変化を味わってほしいと思います。有名な観光地も楽しみながら、周辺の自然やそこに流れる時間を感じてもらえれば、四国の魅力に取り憑かれること間違い無しです。