「はっさく」の魅力はやっぱりこの独特のほろ苦さじゃないでしょうか?
果肉は粒立ちがいいのでプリプリの食感も楽しめます。強いていうなら、外皮も袋も分厚いので、食べるまでがめんどくさい・・・というところ。
確かに、外皮は硬く分厚いので手ではむけません。
果実の上下を切り落としてから縦に切れ目を数カ所入れると、あとは手でも簡単に外皮をむくことができますよ!苦味が苦手な方はシロップ漬けなんかにすると、苦味がなじんではっさくらしい香りが楽しめるのでオススメです。
ちょっと長くなりますが、ここでちょっとしたうんちく話。
「はっさく」を漢字で書くと「八朔」なのですが、どうして八朔という名前なのでしょう?はっさくは1860年頃、広島県の因島(いんのしま)にあるお寺、「恵日山浄土寺」の境内で発見された品種なのですが、当時の住職さんが、「八朔には食べられる」と言ったことが由来なんだそうです。
八朔、つまり八月朔日のこと。朔日とは“ついたち”のことですね。住職さんは、「8月1日ごろには食べられますよ〜。」・・・とまあ、こんな感じで言っていたわけです。
この頃は旧暦なので、今でいう9月ごろ?には食べごろを迎えていたようですね!ただし!はっさくの食べごろは1~4月ごろなので、八朔には食べられたもんじゃありません!当時は旬の時期が全く違っていたんですね。
ちなみに、このお寺でははっさくの原木が祀られていて、「八朔発祥の地」の記念碑などもあります。
さて、
因島には古くからたくさんの柑橘があったそうですが、そこにはあの村上水軍が大きく関係していると言われています。当時、東南アジアまで勢力を奮っていた村上水軍は、遠征先から苗木や果実を持ち帰っていたそう。そうして食べた後に残った種は自然と育ち、交配を繰り返しながらたくさんの種類の柑橘が生まれたと言われています。
はっさくはそんな柑橘の中の一つ!偶発実生(ぐうはつみしょう)の果実なので、親は分かっていません。
ここからは栄養価のお話。
はっさくは、捨ててしまう外皮と袋にこそ栄養が詰まっています。あの独特な苦味は「ナリンギン」という成分。
グレープフルーツなんかにも含まれていますが、食欲抑制や抗酸化などの他に、アンチエイジングや花粉症対策にも効果があると言われています。
そして外皮には「オーラプテン」という成分が!
他の果実に比べて、はっさくはこのオーラプテンをたくさん含んでいます。熱中症対策や、脂肪分解や活性酸素の生成を抑制する癌予防の効果もあるんだとか!
美味しいだけじゃない、健康対策にもなるはっさく。
これを知ったあなたは、はっさくの皮、捨てなくなるんじゃないかなー。
※紹介している柑橘の特徴は、pepe の独自基準に基づいたものです。