香川県の里山の特徴といえば、何と言っても絵に書いたようなおむすび山。飯野山(いいのやま)は香川県丸亀市飯山町にある標高422メートルのおむすび山で、綺麗な三角形が特徴。こういう形は、太古の激しい火山活動とその後の侵食でつくられた珍しいものなのだとか。飯野山は「讃岐富士」とも呼ばれ、新日本百名山にも選ばれている。
初心者が登りやすい西側登山口
ポピュラーな山だけあって、3つある登山口もしっかり整備されています。筆者が向かったのは一番緩やかなコースになる西側の「飯野町登山口」。駐車場はゆうに50台くらい停められるんじゃないでしょうか。
カーナビには「弥生の広場」と入れた方が出やすいかもしれないですね。何で弥生の広場かというと、その名の通り弥生時代~古墳時代の円墳が3基も発掘されたから。広場の隅に2号墳が保存されてます。
緩やかな傾斜と広い道幅
初心者向けだけあって、傾斜は緩やかです。道幅も広くて多少石も転がっていますが、歩きやすいのでスニーカーでも十分登れそう。地元の小学生の遠足コースにもなっているので安心ですね。
ただ小学生の体力とおじさんの体力は全く違うのであしからず。筆者も昔は友達と喋りながらふざけてダッシュで登って戻って繰り返してたりしましたが、今やると確実に怪我するかその前に体力が尽きます。皆さんも無理をせずお気をつけて。
コースの全長は2,200メートルで片道40分が目安との事。行程の大半は緑のトンネルが続きます。時折木々が途切れて讃岐平野の絶景が望めます。
三合目の標識のところにベンチがあるので休めます。ついでに瀬戸内海側の景色もちらり。筆者はここで一休みしましたが、景色を見るためであって決して疲れたからではありません。決して。
猫時々絶景
三合目を過ぎると、西側から南側、東側、北側、もう一度西側へとぐるっと外周を回りながら登っていきます。麓より道幅はやや狭くなりますが、それでも下山客とゆったりすれ違えるくらいはあるので本当に登りやすいです。新緑の季節だったこともあり、きれいな景色を眺めつつ気持ちの良い散歩気分。
野良猫もご満悦でした。
登り始めから山頂までに見かけた猫の数は8匹。猫の島ならぬ猫の山になっているのか、昔はなかった光景です。
山頂到着!
ゆっくり50分ほどかけて山頂へ。山頂は割と背の高い木に囲まれていて、周囲の景色は見えません。記憶通りです。
休憩できるベンチと、お堂、記念碑に仮設トイレというシンプルさ。登山客は多く、地元のおじいちゃんから家族連れまで、筆者が着いた頃には10組くらいが休憩していました。若い頃に比べてタイムが落ちたと嘆くおじいちゃんは登り30分。そう言えば小走りで登ってたような。健脚!
おじょもの足跡
山頂の景色が見られないのは残念ですが、少し階段を降りたところに南向きの展望台と「おじょもの足跡」という変わったものがあります。「おじょも」というのはだいだらぼっち(巨人伝説)のことで、昔々山をつくるのが好きなおじょもが、渾身の作品の飯野山と象頭山(こんぴらさんのある山)に足をかけて立ち小便したら土器川が出来たというお話。その時の足跡が岩に刻まれたという「おじょもの足跡」。
確かに足の指を踏ん張ったような変わった形をしていますが、多分スケールの大きいお話だけ聞いた人達が実物を見た時の感想は、「ちっっさ!!!」でしょう。
割と好きなんですけどね、このお話。
下りは少し急勾配な北側のルートを通ることに。
道幅は一人分くらいで木の根もむき出しで少し歩きづらいかもしれません。人通りは西廻りルートに比べて圧倒的に少ないですが、迷うことはなさそうです。20分ほどで三合目の標識に合流します。野良猫との別れを惜しみつつ今回の登山も無事終了。登山がちょっと楽しくなってきました。